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2型糖尿病

2型糖尿病とは

2型糖尿病とは

一番多い糖尿病のタイプであり、いわゆる糖尿病と呼ばれるのがこの「2型糖尿病」です。
遺伝的要因によってインスリン分泌量が減るとともに、生活習慣の乱れなどの環境的要素によるインスリン抵抗性が合わさって、インスリンが相対的に足りなくなった状態です。
生活習慣病とよく言われる2型糖尿病ですが、インスリンの分泌量が少ないことにも大きくかかわりがあります。
2型糖尿病を患う方は生活習慣が崩れる他に、遺伝的要因として糖尿病を発症しやすい体質があると考えられます。

2型糖尿病の症状

2型糖尿病は症状が現れないまま悪化していくことが多く、かなり悪くなって初めて、次のような症状に気づきます。

  • 傷の治りが悪い
  • 疲れ
  • 肌の乾燥
  • 目のかすみ
  • 手足の感覚が鈍る
  • 体重が減る
  • 尿量が多い
  • 多飲、のどが渇く

2型糖尿病の原因・なりやすい人

2型糖尿病は、インスリン分泌量が減ること、インスリンが効果を発揮しにくいインスリン抵抗性によって発症します。
代表的な原因として遺伝、過剰なストレス、肥満、悪い食生活などの次のような生活習慣があります。

2型糖尿病の原因・なりやすい人
  • 寝不足
  • 生活リズムの崩れ
  • 肥満
  • 運動不足
  • 過剰なカロリー接種
  • 暴飲暴食

など

糖尿病の原因にストレスは関係する?

ストレスと糖尿病はホルモンを通じて深く関わっています。
私たち人間はストレスがかかると「コルチゾール」や「アドレナリン」などのホルモンを分泌し、血糖値や心拍数、血圧が上昇します。
糖尿病を患っている方だと血糖値が上がるため糖尿病が増悪します。そして継続的にストレスがかかると、インスリンの効果が発揮しにくくなり、血糖値が下がりづらくなることが知られています。
ストレスを軽減するためのタバコや暴食には気をつけましょう。

2型糖尿病の治療方法

2型糖尿病に対する治療の基本方針は、適切な体重を維持し、運動療法と食事療法を通じてインスリンの感受性を高めることです。
運動療法と食事療法でも効果が十分でない場合は注射薬や内服薬を用いて治療いたします。

食事療法

どのような2型糖尿病の患者様でも食事療法は基本的な治療法であり、糖尿病の可能性がある、もしくは糖尿病だと診断された時点でスタートします。食事療法を行うことで摂取エネルギー量を適正な範囲に収めて体重管理すれば、インスリンの効果や分泌量が改善されます。そのため、食事療法だけで糖尿病を適切に管理できたり、注射薬や内服薬を使っている方は量を減らしたりすることが可能です。

運動療法

有酸素運動がお勧めであり、具体的には水泳、自転車エルゴメーター、ラジオ体操、ジョギング、散歩など、ゆっくりと深く呼吸をしながら全身の筋肉を動かしましょう。また、週に2、3回のレジスタンス運動も併用するのがお勧めです。レジスタンス運動とは無酸素運動のことで負荷やおもりを用いる運動です。筋肉量を増やして筋力アップを見込めます。また、日々の生活で座っている時間を短くし、適宜軽く運動するようにしましょう。

薬物療法

運動療法と食事療法を2~3ヶ月行ってもうまく血糖管理できなければ、注射薬や内服薬を用いて治療を行います。

2型糖尿病の治療に使用する薬

2型糖尿病の治療に使用する薬

2型糖尿病には内服薬に加えて注射薬も用いられます。インスリンそのものとインクレチンの効果を高めるGLP-1受容体作動薬があります。

経口薬

  • 配合薬
  • GLP-1 受容体作動薬
  • SGLT2 阻害薬
  • DPP-4 阻害薬
  • チアゾリジン系薬
  • ビグアナイド薬
  • α-グルコシダーゼ阻害薬
  • 速効型インスリン分泌促進薬
  • スルホニル尿素(SU)薬

注射薬

インスリン注射

膵臓のβ細胞からインスリンと言うホルモンが分泌され、血糖値を下げます。1型糖尿病の患者様は基本的にインスリン注射が主な治療法です。2型糖尿病では、内服薬、運動療法、食事療法を行ってもうまく血糖管理ができず、血糖が高いままの方に対してインスリン注射を用います。
患者様ご自身でインスリンをお家で自己注射して頂きますが、お腹などの皮下脂肪に皮下注射し、手順も簡単で痛みもほぼ出ませんのでご安心ください。

GLP-1 受容体作動薬の注射による治療

GLP-1受容体作動薬は膵臓からのインスリン分泌量を増加させます。インスリン注射やその他の内服薬と一緒に使う場合もあります。食欲抑制作用があるため、体重を減らすように働きます。近年では週に1回注射するだけで、長時間効果を発揮するお薬も開発されています。
このお薬のみを使った場合、低血糖は起こりづらいと考えられていますが、インスリンや速効型インスリン分泌促進薬、スルホニル尿素薬などを一緒に用いる場合は低血糖が発生するリスクがあるため気をつけてください。
また、この注射薬はインスリンの代用ではないため、インスリンの分泌量がかなり少ない方がインスリンをやめてこの注射薬を使うと、ケトアシドーシスを含む命に関わる副作用が発生する場合があるので要注意です。

よくあるご質問

2型糖尿病は遺伝しますか?

2型糖尿病は遺伝します。これまでの疫学研究では、両親が2型糖尿病であれば子どもは3~4倍、兄弟や姉妹が2型糖尿病であれば2~3倍発症リスクが高まると報告されています。

食べてはいけないものはありますか?

基本的には制限はありませんが、食べ過ぎに注意が必要な食べ物はあります。
うどんや食パン、白米は吸収されやすいため血糖値が上がりやすいです。また、塩分や糖分が多く含まれる食料品も注意が必要です。清涼飲料水や甘いお菓子などは気をつけられやすいですが、缶詰、練り物、煮つけなども要注意です。和食でも体に悪いものもあります。
また、塩分や糖分が多い外食も可能な限り控えるようにしましょう。

2型糖尿病で低血糖になることがあるのはなぜですか?

特定の種類の血糖降下薬を使うと、低血糖と呼ばれる血糖値が低くなる副作用は避けられません。
通常では、血糖値が70mg/dLを下回ると血糖値を上げる作用が働きます。50mg/dLを下回ると脳などの中枢神経の糖(エネルギー)が枯渇して、低血糖症状と呼ばれる特有の症状が出現します。個人差はありますが、血糖値が70mg/dL以上でも治療などにより血糖値が急にひどく下がった場合、低血糖症状が出現する場合もあります。反対に血糖値が70mg/dL以下になっても何も自覚症状がない場合もあるため要注意です。
血糖値を下げるお薬を使っている方は、低血糖について詳しく学んでおきましょう。

運動を避けた方がいい場合はありますか?

次のような方は運動が逆に体に負担をかけてしまうことがあるため、事前に医師に相談しましょう。

糖尿病の合併症が進んでいる方
  1. 血管と神経の合併症
  2. 腎臓の合併症
  3. 眼の合併症
血糖管理が不十分な方

血糖管理がうまくいっておらず、尿中にケトン体が検出された方や空腹時血糖が250ml/dLを越えている方は運動を行わないようにしましょう。