有酸素運動と筋力トレーニングの併用が最適
背景: 米国糖尿病学会(ADA)と米国スポーツ医学会(ACSM)が合同で策定したガイドラインでは、中等度の有酸素運動(AET)とレジスタンス運動(RT)の併用(CT)はそれぞれの単独施行よりも優れているとして推奨している。それぞれの方法が血糖及び血清脂質のコントロールに与える影響を直接比較したシステマティックレビューはない。
対象: 2003~2013年に発表された指導監督下での運動介入を8週間以上受けた成人2型糖尿病患者が対象のランダム化比較試験14件915例。
結果: AET群はRT群よりもHbA1c及び空腹時血糖値(FPG)の低下効果が高かった。さらに、CT群はAET群よりHbA1cとFPGに加えて血清中性脂肪(TG)も低下効果も高かった。
出典: 2014年7月17日MedicalTribune
上記から推測すると、健康維持に有効なのは筋力トレーニング<有酸素運動<それらの併用のようですね。
当論文の本筋ではありませんが、ひょっとすると筋肉を増やして基礎代謝を上げる筋力トレーニングの方が有酸素運動よりも有効なのではないかと最近考えていましたが、大方の予想どおり有酸素運動の方が有効でした。
さて、健康への取り組みでも欧米に遅れをとる日本では相変わらずウォーキングなどの有酸素運動のみが取り上げられがちですが、筋力トレーニングも重要であることが最近ようやく啓蒙されるようになりました。
スポーツマンでもないのに筋力トレーニングなど自分には関係ないと考えずに、年齢や運動歴に応じた自分に適した筋力トレーニングがあることを知ってください。
介護の力を借りずできるだけ自分のことは自分でするためにも筋力トレーニングはいくつになっても必要なのです。
ちなみに、スポーツマンの世界ではバーベルを用いたベンチプレス・デッドリフト・スクワットがビッグスリーと呼ばれる代表的な筋力トレーニングです。
一般の方ならば(膝を付けての)腕立て伏せ・(肘を付けての)上体そらし・(椅子からの)立ち上がりがそれぞれ相当します。
まずは一つだけ始めるなら、(椅子からの)立ち上がりが健康増進にも介護予防にもお勧めです!
2014.07.20 | ブログ | コメントはまだありません
特定健診が今年も始まります
特定健診はご自分の大切な身体を定期的に点検できる貴重な機会ですので、ぜひ毎年お受けになることをお勧めします。
5年前の開院当初から、毎年多くの方々が特定健診のために当院をご利用いただいております。
おかげさまで、特定健診が始まる6月からすこやか健診が終わる11月までの半年間は健診業務で当院は大忙しです。
当院を初めての方でもお電話で特定健診の予約をお取りいただくことができ、予約の方を時間的に優先して対応させていただいています。
ただし、予約なしで当日お越しになられても構いません。
午前診療時間内に予約なしでお越しになる際は、午前9時などの早い時間帯は混み合いますので午前11時などの遅い時間帯をお勧めします。
午前診療時間は午前9時から午前12時まで、午後診療時間は午後4時から午後7時までです。
月曜から土曜まで午前診療と午後診療ともに休診はありません。
なお、特定健診は午前診療時間内なら朝食抜き、午後診療時間内なら朝食は食べてかまいませんが昼食抜きと、絶食が必要です。
【国民健康保険の特定健診】
対象者: 国民健康保険に加入している40歳~74歳の人
受診期間: 受診券が届いた日(6月上旬)~10月31日
受診場所: 市内の委託医療機関(当院)
持ち物: 受診券と保険証
自己負担金: 800円
健診内容: 身体計測、血圧測定、血液検査、尿検査
【後期高齢者保険の健診】(岐阜市での名称はすこやか健診)
対象者: 75歳以上の人
受診期間: 受診券が届いた日(8月下旬)~11月30日
受診場所: 市内の委託医療機関(当院)
持ち物: 受診券と保険証
自己負担金: 500円
健診内容: 身体計測、血圧測定、血液検査、尿検査
なお、会社の健康保険に加入している人は下記の通り年度内有効です。
【健康保険の特定健診】
対象者: 健康保険に加入している40歳~74歳の人(被扶養者も含む)
受診期間: 受診券が届いた日(4月)~翌年3月31日
受診場所: 委託医療機関(当院)、あるいは指定医療機関
持ち物: 受診券と保険証
自己負担金: 健康保険組合によって異なる
健診内容: 身体計測、血圧測定、血液検査、尿検査
以前の院長ブログに書いた特定健診の記事が非常に多くの方に閲覧していただいているようです。
参考までにアドレスを記します。http://ameblo.jp/harase-ichiro/entry-10920370426.html
2014.06.01 | ブログ | コメントはまだありません
日本人間ドック学会の検査値
5月22日付け日本経済新聞によると、日本人間ドック学会が「健康な人」の血圧やコレステロールなどの検査値を公表したことについて、日本医師会と日本医学会は21日、「多くの国民に誤解を与え、医療現場の混乱を招いており、拙速だ」とする意見を発表した、とのことです。
日本人間ドック学会が公表したのは現時点で健康そうに見える人の多くが収まる基準値です。
一方、従来から世界中の医師に用いられているのは心臓病や脳卒中などに将来ならないために達成しておくべき基準値です。
こちらは米国・欧州・日本の各分野の専門学会が世界中の医師に向けてガイドライン(治療指針)として数年毎に更新して公表しています。
日本人間ドック学会の今回の公表により、従来から医療現場で用いられている基準値が緩和されたと誤解された方も多いようです。
これは医師と医学の国内最大の団体が共同で危惧を表明するに至るほどの重大な問題です。
従来の基準値を目標に適切な治療を続けられることをお勧めします。
2014.05.24 | ブログ | コメントはまだありません
ホームページをリニューアルしました
こんにちは! 長良内科クリニックの院長、原瀬です。
このたび開院5周年を機に、ホームページと院長ブログをリニューアルいたしました。
予防医学に関する最新情報や医院のお知らせをわかりやすく迅速にお伝えしていきます。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
リニューアル前の院長ブログのアドレスはこちらです。http://ameblo.jp/harase-ichiro/
2014.05.02 | ブログ | コメントはまだありません