米国糖尿病学会の糖尿病診療ガイドライン改訂
Medical Tribune 2015年1月1,8日 Vol.48 No.1,2
米国糖尿病学会が2015年版の糖尿病診療ガイドラインを公表しました。
今回の改訂で注目されることを列挙します。
①2型糖尿病患者の血糖降下療法アルゴリズム。
3カ月間でHbA1cが目標値を達成できない場合は次の段階へ進む。
1.健康的な食事、体重管理、身体活動の増加、糖尿病教育、単剤による治療開始(メトホルミンに限定)
2.2剤併用療法(SU・TZD・DPP4・SGLT2・GLP1・基礎インスリンのいずれか)
3.3剤併用療法(SU・TZD・DPP4・SGLT2・GLP1・基礎インスリンのいずれか)
4.注射製剤併用(メトホルミン+基礎インスリン+食前インスリンまたはGLP1)
当院では昨年から既にメトホルミン、DPP4、SGLT2の順で併用しています。
やむを得ず注射剤併用を要す方には、従来の強化療法であるメトホルミン+基礎インスリン+食前インスリンの方も多数おられますが、新規ではメトホルミン+基礎インスリン+GLP1を用いています。
②すべての糖尿病患者に対して脂質異常症がなくてもスタチン療法を推奨。
スタチン療法が脂質目標値にかかわらず予防として推奨される時代がいよいよ到来しました。
当院では今後も保険診療に基づき脂質異常症に対してのみスタチン療法を行いますが、保険適応の動向に注目していきます。
③通常は25である肥満指数BMIのカットオフ値をアジア系米国人では23とする。
一般人口に比べてアジア系ではより低いBMIでも糖尿病リスクが上昇するという知見に基づく推奨です。
日本人においても肥満の方が減量する際には25で満足することなく23を目指すべきだと考えられます。
2015.01.15 | ブログ | コメントはまだありません