不整脈とは
「不整脈」とは心臓の拍動に異常が見られる状態です。
不整脈の種類は重篤な状態から治療が不要の状態まであり、症状も様々です。
血液は脈がリズムを刻みながら全身を巡ります。このリズムは心臓が血液を送り出す拍動です。
通常の脈のリズムは規則的ですが、不整脈では心臓の異常からリズムに乱れが生じており、心臓に何かしらの問題がある兆候です。
不整脈の原因は?ストレスとの関係
不整脈には、発症要因が不明な場合と明らかな場合に分かれます。
不整脈を発症しやすいのは、自律神経の乱れや、血液中の電解質イオンの異常、甲状腺ホルモンの異常、心臓に心筋症や心筋梗塞など何らかの異常が見られる場合です。
また、飲んでいるお薬の影響で不整脈が現れる場合もあります。
発症要因が不明な不整脈は、加齢や先天的な問題により異常な電気信号が発生する場所があるため発症します。
睡眠時無呼吸症候群や精神的なストレス、過剰な飲酒、タバコ、生活習慣病である肥満や糖尿病、高血圧などがいくつか重なることで不整脈を生じやすくなる場合もあります。
不整脈の種類別の症状チェック
不整脈は数多くのパターンに分類されるため、様々な症状が現れます。
不整脈の分類と症状は関連しており、次のような症状が挙げられます。
動悸(心臓の動きを不快に感じる症状)
①一度の拍動で送り出される血液量が増える、②頻脈(脈の異常な速さ)、③脈のリズムの異常、以上の3つの異常が生じた時に現れる症状です。
めまい、立ちくらみ、失神、けいれん
脈が異常に遅くなったり、速くなったりする場合のどちらでも現れる症状です。どちらのケースでも脳へ十分量の血液が供給されずに、めまいなどが生じます。
息切れ
頻脈が原因となって生じます。酸素を必死に体内へ取り込もうとしている状態が息切れとなって現れます。不整脈では体中の細胞への必要な酸素の供給が滞るので、酸素を取り込もうとして息切れになります。
胸痛
様々な種類の不整脈が原因となって胸痛を引き起こします。心臓は心臓自体を含む全身に血液を供給しているため、不整脈では心臓への血液の供給量も減少します。心臓への血液の供給が滞ると、心臓にある痛みを感じ取る神経が刺激されることで痛みが生じるため、不整脈による胸痛は心臓自体に生じた痛みです。
意識を失う
不整脈によって一時的に心臓が停止することで意識を失う恐れがあります。
不整脈を放っておくとどうなる?
不整脈は失神や動悸などの症状を引き起こし、日常生活に大きな影響を与えることがあります。
動悸の症状は、問診で原因をおおよそ予測し、心電図検査から不整脈の診断を行い、治療の必要があるかどうかを判断します。
また、不整脈の種類によっては心臓機能が低下して心不全へ進行する場合もあります。さらに特定の不整脈の場合は脳梗塞などの重篤な症状へと繋がることもあるので要注意です。
不整脈の治し方
薬物治療
治療で使うお薬は、脈拍のリズムの乱れを改善したり整えたりする作用を持つ抗不整脈薬です。
不整脈の原因が甲状腺機能の低下や亢進の場合は、原因疾患の治療を行うことで不整脈が治ることもあります。
カテーテルアブレーション
カテーテルアブレーション(経皮的カテーテル心筋焼灼術)はお薬での治療が困難な場合に行われ、カテーテルを使って不整脈の原因である異常部位や回路を冷却凝固や焼灼します。
ペースメーカー治療
ペースメーカー治療ではジェネレーターと呼ばれる小さな機械を体内に埋め込みます。
この機器は、電気信号を心臓の筋肉に送ることで人工的に心臓を動かし、拍動のリズムを補う役割を持っています。脈が遅くなる種類の不整脈の治療に用いられることが多いです。心臓再同期治療機能付き植込型除細動器(CRT-D)とは心臓の両側から電気刺激を送って、収縮や電気信号のタイミングを整える機器です。この機器は、電気ショックを用いた治療である植込み型除細動器(ICD)の機能と心臓の状態を記録する機能があります。
ICD治療
心室頻拍や心室細動などの突然死の危険性が高い頻脈の場合に、埋め込み型除細動器のICDが治療に用いられることがあります。
不整脈だと判断して心臓への電気ショックを送り、突然死を防ぎます。